色彩検定3級は受けるべき?色彩検定2級を約1週間の勉強で正解率9割で合格できた勉強法
そもそも”色彩検定”というとデザイン系の専門知識が必要で、少し難しいのでは?と思う方もいるかと思います。3級から順番に受けるほうがいいのだろうか…。2級から受けても大丈夫なのだろうか…。難易度が分からないためどこからどう勉強していけばいいのかデザインに触れる機会が少ないとテキストを見てもいまいちわかりづらいと思います。
そこで今回はほとんど色彩の知識ゼロの状態で、3級を受検どころか3級のテキストも買わずに2級に挑んだ筆者から見る色彩検定2級を解説していきたいと思います。
目次
色彩検定とは
そもそも色彩って何?
色彩とは簡単に言うと“いろどり”のことをいいます。例えば、ファッションで使う色の組み合わせや、建築でいう屋根の色あいや壁の色あいなどのことをいいます。「色彩感覚」といえば、「色の使い方に関する感覚」というふうに捉えられます。
色彩検定とは?
私たちの日常生活に欠かせない色彩。その色彩を使ってファッションやインテリア・グラフィックデザイン・建築・商品企画などさまざまな分野で色彩の知識を活かしていきたい。そのような方に向けて、全国服飾教育者連合会(A・F・T)が色彩に関する知識と応用力の向上、またその評価をするために実施し始めたのが「色彩検定」になります。
色彩検定2級と3級の違いとは
3級の学習内容は?
3級の学習内容は主に色彩の大まかな基礎知識(分光分布や分光反射率曲線、視覚系の構造、色彩調和など)を学び、「ファッション」「インテリア」の分野における色彩の基礎知識を学習します。
2級の学習内容は?
2級は3級の内容をより深く押し進めていき、色彩の基礎知識(3級の内容に加え、マンセル表色系やJIS系統色名など)を学ぶことになります。また、他にも3級で学ぶ色彩調和を使用して配色技法を学び、より実践的に配色を行えるような内容になっています。
分野においては3級で学ぶ「ファッション」「インテリア」に加え、「ビジュアルデザイン」「プロダクト」「環境」についての分野における色彩について学習していくことになります。
ざっくり2級と3級の違いを説明すると・・・
「色彩における土台となる基礎中の基礎を3級で学び、2級はその土台を元にさらに色彩に関する基礎知識を深めていく」
要するに、2級を学習するためには、3級の知識が必須となります。
色彩検定いきなり2級から受験しても大丈夫?
2級の公式テキストを見ると、ところどころ「3級でも学習した・・・」と、当たり前のように3級を学んでいる前提でテキストが進められています。そのたびに「3級を受験せずに2級を受験しようとしても大丈夫なのだろうか・・・」と不安になるのですが、筆者(cororon)の実体験を元に実際はどうなのか解説していきたいと思います。
【結論】試験合格が目的であれば2級からでも大丈夫
私自身、3級のテキストを全く手につけていない状態で2級の勉強を始めたのですが、分からないと思う部分は都度インターネットで調べながら勉強していました。
例えば、「錐体細胞」という視細胞が2級でいきなり登場するのですが、分からなかったので調べて理解していたのですが、実はその急に出てくる分からないもの、知らないものこそが3級の学習内容だったのです。
要するに、2級を理解しようと調べながら勉強を進めていれば、少なからず自動的に3級の内容も勉強していたことになっていたのです。
私は2級を受けると決めていたので3級のテキストを買うことはしなかったのですが、時間とお金に余裕があれば、調べる手間も省けるので3級のテキストを見て学習することをおすすめします。
基礎をしっかり習得したいのであれば3級から受けるべき
上記でもお話ししたように、2級を進めるうえでの基礎知識が3級で学べる形になっています。私の場合試験まで残り日数がかなり少なく、3級のテキストを1から読み進めるのが不可能だと判断したので3級のテキストは見ない強硬手段をとったのですが、何を学ぶにしろ基礎をしっかり身に着けるのは大切です。
今後の職業に活かしていきたい、実務で活用したいなど目的を持っている方は3級のテキストからじっくり勉強することをおすすめします。 また、2級であまり触れない3級にしか書かれていない基礎知識もありますので、そこらへんもしっかり考慮したうえで自分に合った試験対策をおこなってください。
色彩検定2級の難易度は?
正直にいうと今まで受けてきたどの資格試験よりも簡単なほうでした。(あくまでも個人的感想です)理由は以下になります。
- 他の資格試験と比べるとそもそも覚える量が少ない
- 過去問を見ると出題傾向が分かるので山が張れる
- 1つ覚えれば10問以上の問題に対応できるものもある
- 「ファッション」や「ビジュアルデザイン」など、自分の興味のある分野が少なからずあって勉強しやすい
受ける受けないの参考程度にしていただけたらと思います。
約1週間の勉強だけで受かった勉強法
1か月前からテキストを開き始めていたのですが、だらだらとテキストを読んでいき、気づけば残り1週間となっていました。テキスト1/3くらいだったので、多分集約すると3日間で読み進められる量です。(この時点でほぼ諦めてました)
しかし、テスト4日前になり、過去問を2年分(夏季・冬季の2回)で計4回分を見て大変驚きました。
「残り4日間この方法なら必ず受かる。」と確信したのです。
その方法が以下になります。
2年分の過去問を見て山を張る
私がテキストを見て驚いた理由。それは、計4回分の過去問の出題傾向がほとんど同じであるということに気づいたからです。
そこで、私は ①覚えなくていいもの、②うろ覚えでいいもの、③確実に覚えるもの、④規則性で覚えるもの、の4パターンに分けて山を張りました。
① 覚えなくていいもの
過去問と公式テキストの双方をみていると、絶対に優先順位的にもこれは出ないだろうと予測できるものがあります。
例えば「インテリア」の分野でみると公式テキスト「インテリアの仕上げ材」や、「住宅壁面の色彩分布の例」は、過去問にもないですし、今後テストで出題されるほどのものではないのがなんとなく分かります。
過去問になく、明らかに出なさそうな図や表はあえて覚えないようにします。
② うろ覚えでいいもの
例えば公式テキスト「照度の目安とJISによる照度基準の一例」。この図は覚えにくいにも関わらず、過去問を見てみると取れて1点の問題です。このように覚えにくく、覚えても1点にしかならなそうな図や表に関してはすべて完璧に覚えるのはやめて、うろ覚えで当たればいいなくらいの感覚で覚えました。
③ 確実に覚えるもの
中には確実に覚えたほうがいいものもあります。例えば公式テキスト「生活と色」や「光と色」「色彩調和」などの部分は公式テキストを読み込んで、順を追って覚えたほうが圧倒的に覚えやすく、過去問を見ても毎回必ず数問出題されている部分です。
他にも「蛍光ランプの光色の種類とその特徴」などは簡単に覚えやすいので1点だとしても確実に覚えるようにします。
あとは言うまでもないですが、過去問でよく出る慣用句などの毎年出題されているものに関しては100%完璧に覚えてください。
特に最後の慣用句を後回しにしてしまう人も多いかと思うのですが、これだけで6問は確実にとれる部分です。むしろ絶対出ると分かっている範囲なのでもはやサービス問題です。確実に取りに行きましょう。
④ 規則性で覚えるもの
色彩検定で最も重要なのがこの「規則性で覚える」だと思っています。
例えば「マンセル表式系の色相環(20色相)」。これを全部律義に覚えるのはやめましょう。時間の無駄です。あなたがやるべきことは下の図を問題用紙の隅っこに描けるようになることと、数字の並列規則を覚えることです。
そうすれば図を描いて数字を数えていけば問題が解けます。
他にも2級の公式テキストで突如現れる下記のような図。こちらは3級で学ぶ「PCCS」という図になります。
例えば「トーンオントーン配色の配色例」をみて、「トーンオントーン配色はlt2+とdk2だ!」と覚えるのはやめましょう。これも時間の無駄でなんの学習にもなりません。上の図を使って配色することが目的なので、上の図を確実に描けるようにしたうえでトーンオントーンがどのような配色が可能なのか、テキストを見て確実に覚えていきましょう。この図もかなりの問題数で使用することになります。
こちらで紹介した2つの図は完璧に描けるようにしてください。これが描けないと2級にはまず合格できないと思ってください。逆に言えばこの2つの図が描けるだけでたくさんの問題を解くことができます。
3級の勉強はYouTubeを活用
2級のテキストを進めて色彩への知識が深まっていたとしてもやはり、2級のテキストにはない3級の問題が過去問に数問出てくるので少し心配になりますよね。
私も前日にどうにか3級の内容が見れないものかと思いダメもとでYouTubeを開いたところ、いい感じのものがありました。
「オンスク.JP」資格、語学、スキルアップなど チャンネルの「オンスク.JP 色彩検定3級」というシリーズの動画です。とてもありがたいです。
私はこれで過去問に出てきた3級の問題を解くことができました。
ほぼ2級の復習みたいな内容ですが、学んでいない部分もあるはずなので、この動画内のものもすべて完璧に理解するようにしてください。
公式テキストと過去問題集のご案内
公式テキストと過去問とYouTubeさえあれば9割は取れると思います。(私も9割で合格できてます)
他にも色彩検定2級を受けるための分かりやすい解説本が売っていると思うのですが、必要ありません。解説本を熟読する分、公式テキストと過去問題集をしっかりやりこんでください。
下記私が使用した公式テキストと過去問題集のご案内です。
公式サイトからでも購入できますし、以下のリンクからAmazonでの購入が可能です。
A・F・T色彩検定公式テキスト2級編(2020年改訂版)
色彩検定過去問題集2017年度2・3級
試験方式と検定料
3級
実施時期 夏期:6月 冬期:11月
試験方法 マークシート式
検定料 7,000円
試験時間 80分
合格ライン 各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動します。
2級
実施時期 夏期:6月 冬期:11月
試験方法 マークシート式 (一部記述方式)
検定料 10,000円
試験時間 80分
合格ライン 各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動します。
1級
実施時期 夏期:6月 冬期:11月
試験方法 1次:マークシート方式 (一部記述式)
2次:記述式 (一部実技)
検定料 15,000円
試験時間 1次:90分
2次:90分
合格ライン 各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動します。
(引用:文武科学省後援 色彩検定® 公式テキスト2級編)
まとめ
いかがでしたでしょうか。これらが私がやってきた色彩検定の勉強方法です。
約1週間の勉強量で、公式テキストと過去問とYouTubeがあれば3級を受けずに2級を正解率9割で合格できた私の実体験です。
ぜひ参考になればと思います。
※本記事の内容は2019年冬の資格試験の内容に準拠しています。そのため、最新テキストでは内容が多少異なる場合がございますのでご了承いただければと思います。